賃貸併用住宅 4つの住宅ローン返済リスクを回避する具体策とシミュレーション

賃貸併用住宅のローン返済リスク

賃貸併用住宅は、建物が大きくなるため借入金額が大きくなりますが、実質負担は半分以下になるため、通常の戸建て住宅よりもそのリスクは低くなりますが、35年ローンという長期間、その間に起らないとも限らないことは何か、どこまで対処可能か、ある程度の見通しを立てておくことは、いざという時の適切な判断をするためには重要です。
そこでこの記事では、

  1. 住宅ローンで想定されるリスク
  2. リスクの対策
  3. 売却損が出ない「安全な時期」
  4. 賃貸併用住宅の家計収支シミュレーション

これらについてお話してゆきます。
今の超低金利時代の住宅ローンのメリットを生かすためにも、リスクにしっかり向き合い、万が一の時に慌てずに済むよう、計画的に対策を行ってゆきましょう。

住宅ローン返済がしづらくなる原因となりやすい4つのリスク

住宅ローンの懸念の最大点は、「ローン返済しづらくなる」状態に陥ることです。
以下はその原因となりやすい4つのケースです。

1.家賃が入らなくなる ー 空室リスク、家賃滞納リスク

賃貸経営にはつきもののリスクです。予定通りの家賃が入らなければ、返済計画に影響を与えます。入居者の退去は必ず発生するものですので、いかにすぐ次の入居者を確保できるかが重要になります。主に入居者がつきにくくなる要因に以下があげられます。

立地 築年数 設備 条件(家賃、敷金・礼金など)

これらが需要と合わなくなっていないか、定期的な見直しが必要です。
また、入居者が家賃を滞納するケースも想定されます。

2.支払い額が増える ー 金利上昇リスク

住宅ローンには「変動金利」と「固定金利」の二種類があり、多くの方は金利がより低い変動金利型を選びます。
金利は6カ月に1度、見直しがあります。もしも金利が上がれば返済額が増えます。現在は超低金利時代と呼ばれるほどですので上がることはあってもさらに低くなることは考えにくいでしょう。金利動向は必ずチェックしておく必要があります。

3.建物・土地の価値が下がる ー 価値の下落リスク

建物は減価償却しますので、経年による価値下落は避けられません。
一方、土地は価格が変動しにくいですが、景気の影響は受けます。良い土地を選べば価値下落率は相対的には低めですが、それでも価値は景気が悪い時には下がります。
土地価値が下がったタイミングで売却してしまうと思うような売値にならず、「売却損」が出るリスクがあります。

4.収入が減る ー 給与が下がる、仕事を失うリスク

今の時代、大手企業でも経営難に陥ることや、その影響を受けて給料が下がったりリストラに合う可能性もゼロではなくなりました。

賃貸併用住宅の住宅ローン返済リスクの対策

上記のローンリスクに対する具体的な回避策をご紹介いたします。

1.空室リスク、家賃滞納リスクへの対策

賃貸経営につきものの空室リスクへの一番の対策は「賃貸経営の三大鉄則」に取り組むことです。それは「入居者のニーズに応える物件にする」ことにつきます。つまり需要に対して適切な供給をすることが、ビジネスを安定して回すための基本原則です。

安定した賃貸経営の3大鉄則

安定した賃貸経営の3大鉄則
  • 適切な立地にする
  • 入居者の住み心地を上げる設備を入れる
  • 条件を緩和して住み続けやすく、入居しやすくする

詳しくはこちらの記事で解説しています。

また、入居者の家賃滞納リスクに対しては今は保証制度が整っており、そちらを利用します。また、入居者事前審査なども行うことで対策しやすくなるでしょう。
第一に「良い入居者」に来てもらうためには、立地や建物を一定の水準以上にすることも、当社の経験から非常に重要なものであることが分かっています。

2.金利上昇リスク、変動金利リスクへの対策

住宅ローンには、金利が上がった際にいきなり支払額が上がらないようにする防御装置のような制度があります。それを「5年ルール」「125%ルール」と呼びます。

● 5年ルール
金利が上がっても月々の支払額を5年間は同額とするというもの。
● 125%ルール
金利上昇しても、前回の返済額の125%を上限とするもの。

家計への影響を抑えるありがたい制度ではあるのですが、これらにもデメリットがあります。5年ルール適応時には支払い額は変わらないため、気がづかないこともあります。また、元本と利息の内訳が変わるため(利息が増える)、元本返済がその分遅くなります。

こちらの記事では、5年ルール・125%ルールの詳しい解説と、金利が上昇しても実質の支払い額をなるべく増やさないための具体的な2つ方法もご提案しています。

3.建物価値の下落リスク

建物は経年に伴う劣化があるため価値は下がり続けます。一方、土地も景気などの影響を受けて変動しますが、利便性の高い土地は価値が下がりにくい傾向にあります。

立地は賃貸経営に最も大きな影響を与える要素ですから、地価下落を避ける一番の対策は、はじめの土地選びを注意深く行うことです。賃貸経営は立地探しから始まっています。

4.収入が減る ー 給与が下がる、仕事を失うリスク

今の時代、大手企業でも経営難に陥ることや、その影響を受けて給料が下がったりリストラに合う可能性もゼロではなくなりました。収入が減ったり、仕事を失うなどの予期せぬ状況に陥ったら、ローンの返済はどうなるでしょうか?

賃貸併用住宅の大きな特徴は、家賃収入とオーナーの給与というローン返済原資が2つあり、どちらかが下がったとしても補填しあえるという大きな安心材料があることです。

実質的にはローン返済のほとんどを家賃収入で賄うため、よほど無謀なお金の使い方をしない限り、家計には余裕ができます。そのため、万が一職を失った場合でも、次の職を見つけるまでの間、それまでの余裕分と家賃収入で乗り越えることはムリな話ではありません。

だからこそ通常時に何をするかが重要になってきます。
「家計に余裕があるときこそ、余裕分を『軍資金』としてプールしておく」ことを計画的に行うことで、大きく慌てずに対処しやすくなるはずです。

では、実際の余裕分はどれくらいになるのか、売却損が出ない「安全な売り時期」はいつ頃なのか。以下に参考シミュレーションを出しましたのでご覧ください。

賃貸併用住宅の返済リスクをシミュレーションで確認する

東京都内に次の条件で賃貸併用住宅を購入した場合のシミュレーションです。

月20万円の賃貸住まいのファミリーが
東京都内に住宅ローン9,000万円の借入で「賃貸併用住宅」を購入したケース

借入35年、金利0.495%、賃貸部分面積50%、一部屋あたり7.5万円x3部屋を想定

賃貸併用住宅のシミュレーション
【支出】
借入返済 -23.3万円/月
賃貸管理費 -1.1万円/月※1
支出合計 -24.4万円/月 ・・・(A)
【収入】
家賃収益 +22.5万円/月※2
ローン減税 +3.3万円/月※3
収入合計 +25.8万円/月 ・・・(B)

※1)管理費は家賃の5%相当、自主管理の場合は0円 
※2)7.5万円/月×3 部屋 
※3)年間40万円の減税を月額換算
※固定資産税は含めていません。

―――― 住居費の変化 ――――

Before
家賃-20万円/月
After
家賃収入+25.8万(B) – 支出24.4万(A) = +1.4万円/月
これまでの家賃がういた分 = +20万円/月

それまで家賃20万円を払っていた分が浮き、家賃で返済ローンと固定資産税分がほぼ相殺されます。
家計の三大資金の一つである「住宅費」がこれだけ大幅に改善されれば、家計への負担軽減はかなりのものであることが分かります。

それでも…余裕があっても、万が一、返済が厳しくなって売却することになってしまったら?そんな不安もゼロではありませんよね。そこでローン返済のリスクが無くなる安全な時期を算出してみました。

住宅ローン返済の安心ゾーンは15年後!ローン残債が土地値を下回る

建物は償却されるため土地よりも価値が大きく下がりますので、価値が下がりにくい土地値を基準にします。
金利と土地値が変わらない前提で、先述のシミュレーション例ではローンの残債は15年後には5,333万までとなり、土地値を下回ります。

売却価格は土地+建物で7,000万とすると、残債との差額=売却益は1,670万円になります。(本来はもう少し上乗せした金額で売却することが可能なのですが、ここでは厳しめのラインで計算します)

それ以外に、購入時からそれまで支払っていた家賃20万円を「家賃を払っているつもり」として貯蓄に回していたとすれば、+2,400万円。払っていた家賃ですからそれほど家計にムリはないものとしました。
すると合計4,070万円が売却後に資産として残る計算になります。

※建物の未償却残高の内訳:自宅部分1,000万、賃貸部分500万 ※土地値が変わらない場合。
※あくまでも概算の参考数値です。固定資産税は含まれていません。立地や建物、時期によって数字は変わってきますのでご了承ください。

15年後、賃貸併用住宅は売却しやすいか?買う人のメリットは?

では、築15年の賃貸併用住宅は売れるのでしょうか。
賃貸併用住宅の中古は市場になかなか出回らないため、出せばすぐに売れてしまうのが現状ですから、比較的優位な立場で売却できる傾向にあります。

ですが、立地、建物、その時の金利、タイミングなどにもよって当然変わってきますから「必ず思うような価格で売れる」とは断言はできません。まずは「次に買う人のメリットがあるか」という視点で、シミュレーションしてみましょう。

上記のオーナーが土地5,500万+建物3,500万=計7,000万で売却する場合の前提で見てみます。実際には販売価格はもう少し上乗せするケースが多いのですが、ここでは金利も0.7%アップの1.2%に上がったとし、「厳しめ」の線で計算しましょう。

ローン7,500万円の借入で中古の「賃貸併用住宅」を購入したケース
  1. リフォーム費込みの住宅ローン、借入35年、頭金なし
  2. 金利は15年前の0.495%より上がって1.2%と想定
  3. 一部屋の家賃は6.7万円 x 3部屋と想定(※10年7%家賃下落のルールで計算)
【支出】
借入返済 -21.8万円/月
賃貸管理費 -1.0万円/月※1
支出合計 -22.8万円/月 ・・・(A)
【収入】
家賃収益 +20.1万円/月※2
ローン減税 +2.9万円/月※3
収入合計 +23.0万円/月 ・・・(B)

※1)管理費は家賃の5%相当。自主管理の場合は0円
※2)6.7万円/月 x3部屋 
※3)年間40万円の減税を月額換算

次に購入する人の収支

After
家賃収入23万(B) – 支出22.8万(A) = +0.20万円/月

内装をフルにリフォームした費用は住宅ローンに組み込んだ形での計算としました。
中古で購入したオーナーは始めのオーナーと同様に、それまでかかっていた住居費がほぼゼロに近い形となり、固定資産税を加えても月2万程度の支出で済みます。

築15年の賃貸併用住宅でも、「住居費を大きく下げながらマイホームを手にいれる」メリットは享受できる計算になります。

賃貸併用住宅 まとめ

賃貸併用住宅のローン返済はリスクを把握し、制度を活用しながら計画的な返済をすることで、返済リスクを大きく下げてゆくことが可能である

住宅ローン返済のリスクを見てきました。
賃貸併用住宅のローン返済のほとんどは、家賃収入から支払うため、家計に大きな余裕があります。

当社では、お客様には新築で住宅控除を受けられ、一番高い家賃が取れる初めのうちにこそ、その余裕分を貯蓄に回すことをおすすめしております。それがいざという時の”軍資金”にもなり、繰り上げ返済で返済期間圧縮も視野に入れることができ、返済不能リスクをさらに大きく回避させる選択肢を持てるからです。

紹介したようなリスクの把握、各制度の活用、計画的な返済によって、予期せぬ事態の中でも、そのインパクトを可能な限り小さく抑えることも十分可能になるのです。

この「余裕を持って選択肢が持てる」ことは、通常の注文戸建て住宅では得られにくい、賃貸併用住宅ならではの醍醐味です。だからこそ、計画な返済を行ってゆきましょう。

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