賃貸併用住宅のリスク管理

賃貸併用住宅のリスク管理

賃貸併用住宅は比較的ローリスクといわれますが、投資要素がある以上ゼロではありません。ここでは抑えておきたい「リスク」と対策、管理の仕方についてお話します。

なお、投資で言われるリスクとは「収益に対するブレ幅」、つまりリターン(結果)の変動幅が大きいことを指します。つまり受け取る利益が大きく上がったり下がったり変わる可能性の大きいほど「リスクが高い」といいます。

大切なことはいたずらに怖がらず、しっかりリスク管理を行うことです。
賃貸併用住宅のリスクを知り、対策に取り組んでゆきましょう。

リスク1:空室・家賃下落リスクと管理

投資物件での最大のリスクとは、予定よりも大幅に空室率が高くなることと家賃が下がること、この二つです。
入居者の退去は必ず発生します。また、時間が経つにつれ家賃は下がりますので、この二つは避けることができません。
重要なのは、その下げ幅や空室率をできるだけ低くおさえること。空室になってもなるべく早く入居が決まるように対策を取ること。そして修繕費用は計画的に確保しておくことです。

空室リスク、家賃下落リスクへの対策

築10年以内の「築浅物件」は入居率が高く、空室率を低くおさえられるので収入が安定しやすい傾向にあります。しか空室リスク・家賃下落リスクはゼロではありません。やるべきことはやっておきましょう。

立地は利便性の高いエリアで、駅近にする

空室リスク、家賃下落リスクを抑えるには、賃貸需要の高い立地を選ぶこと。これは不動産投資を成功させるための鉄則です。

  • 都心からアクセスのよい通勤圏内の駅から徒歩圏内
  • 利便性の高い主要駅や人気エリア内の駅から徒歩圏内
  • 人口数があり増加が見込まれる

これらをおさえることで賃貸需要が安定しやすくなり、家賃も高く設定しやすく、大きく落ちにくくなります。また、売却する時もよい価格で売れやすい利点があります。そのため立地がすべてを決めてしまうといっても過言ではありません。納得いく土地を見つけるまで、根気よく探しましょう。

住み心地を良くする設備にする

  • 独立洗面台
  • 浴室乾燥機
  • クローゼット
住み心地を良くする設備

賃貸部分を「住み心地がよいスペース」にする工夫も重要です。単身者の人気のある設備の導入も検討してみましょう。例えば独立洗面台やTVモニター付きインターフォン、浴室乾燥機やクローゼットなど、単身者にとってかゆいところに手がとどく、気配りのある設備は付加価値が加わって選ばれやすくなります。

客付け(入居者募集)をしっかり行う

実際は客付業者が行いますが、入居対象者が集まる複数のインターネットサイトに掲載する、集客ネットワークのある仲介業者に働きかけるなど、しっかり客付け戦略をもって動いてもらうようにしましょう。

状況に応じて柔軟な考えで対応する

空室が続いたら…入居者が来なかったらどうしよう…?

そんな懸念もよぎるかもしれません。しかし賃貸経営は1かゼロかではないのです。
例えば状況によっては家賃を相場より低めにする、敷金・礼金などの条件をよくするなど、ある程度柔軟な対応も考慮する必要があるでしょう。
また、賃貸併用住宅のローン返済原資には家賃だけでなく、給与もあるわけですから、余裕がなくなるということはありません。慌てずに問題に一つ一つ取り組んで最善策をとりましょう。

それでも入居が決まらない場合、客付け業者に聞いて問題点を洗い出し、そこに一つ一つ対応してゆくことで空室を埋めることはできます。

重要なのは入居者のニーズや時代に合った住まいを提供することにつきます。それが実現できれば、あとは立地と管理会社(客付け業者)を間違えない限り、空室率を抑えることは十分に可能なのです。

リスク2:ローン返済リスク、金利上昇リスクと管理

ローン返済リスク、金利上昇リスクと管理

「もしローンが払えなくなったらどうしよう?」
「お給料が減ったら…働けなくなったら…?」

住宅という大きな買い物に対する最も大きな不安が、今後数十年先にわたるローンの支払いです。
また、賃貸併用住宅となると建物が大きめになりますので、購入金額も大きくなります。ですが、一般の戸建て住宅を購入するケースと比べて賃貸併用住宅の返済不能リスクは実際にはかなり低くなります。以下で説明いたします。

賃貸併用住宅のローン返済リスクへの対策

住宅ローンは給与で返せる範囲の金額だけが融資される

住宅ローンは個人の所得の信用で返済能力を判断されます。つまり「給与で返せる範囲」と銀行が判断した額までしか借りられません。
具体的には住宅ローンの返済比率は年収の35%~40%が上限です。

賃貸併用住宅には家賃収入がある

給与で返済可能な範囲であることに加えて家賃収入という2つのローン返済原資があるので基本的に無理のない計画になるはずです。どちらかが低くなったとしても補填しあえる余裕があることは、非常に心強いものです。
返済原資が給与のみのマイホーム購入よりは、ローン返済リスクはずっと低いと言えるでしょう。

金利上昇リスクに対する対策

多くのケースで選択される「元利均等返済」では、月々の負担がいきなり増えない「5年ルール」「125%ルール」制度という安全装置で守られている面があります。

5年ルール・125%ルールのイメージ図

5年ルール・125%ルールのイメージ図

  • ※上記の図はあくまでも5年ルール・125%ルールを説明するためのイメージです。
  • ※元本は時間の経過と共に減るので、月々の返済額の元本割合は増えてゆきます。
  • ※元本・金利バランスは実際に図のようになるとは限りません。

ローン金利が上がっても月の支払額は5年間は変わらない

住宅ローンの返済には「変動金利」と「固定金利」を選ぶことになります。「変動金利」の場合、住宅ローンの金利は半年ごとに見直され、その時点の金利が適用されます。そこでもし急に金利が上がったら住宅ローンの支払い額が増えて家計に大きな影響を与えてしまいます。
そのため、月の返済額は5年間変わらないという「5年ルール」が設けられています。

金利が上がっても前回返済額の125%以内まで(増加分25%)

その5年後、返済額が見直された時点のローン残高、返済残年数、金利で再計算され、毎月の返済額が上がる結果になったとしても、前回の返済額の125%以内が上限になります。これを「125%ルール」と呼びます。

5年ルールと125%ルールの注意点

このルールが適用されると、月々の支払い額は変わらずにその内訳が変わることに注意しましょう。金利が上がった分が利息分で調整され、元本に充てる金額は低くなります。
その先延ばしされた元本返済分や、125%ルール適応時の中に元金・金利が入りきらなかった場合、その分は支払いを後回しにする形です。(返済後に一括返済か翌月以降に繰り延べられる)

返済者を守る制度ではあるのですが、金利が上昇した場合は元本返済が進まなくなり返済が先に延びるデメリットがあります。

返済額が一定のため、金利が上がったことに気づかない場合があります。金利の状況は定期的にチェックし、上がるときには返済計画の見直しをしたり、繰り上げ返済などの検討をしてもよいでしょう。

金利が下がった場合は?
金利が下がった場合は、5年ごとの見直しで返済額へ反映されます。

リスク3:家賃滞納リスクの対策と管理

賃貸オーナーになったら、空室率の次に心配されるのが「家賃滞納」かもしれません。家賃収入が滞れば、オーナー側のローン返済計画にも打撃を与えます。滞納が続けば不払い額も膨れ上がり、回収率が下がってゆきます。
そのために滞納が発生したら、すぐに督促をするなどの行動が必要です。

家賃滞納のリスクに対する対策

入居契約の段階で対策を取ることができます。
今は、入居者が家賃保証会社との契約を結ぶことはほぼ必須になっています。この保証会社は昔でいう「連帯保証人」の役割です。
家賃滞納があれば立て替えをし、家賃の督促及び徴収を行います。また、不払いが続いて裁判に発展したときにも訴訟費用を負担します。
保証会社の手数料は家賃の約半額ほどで、入居者が支払います。

家賃滞納保証の関係図イメージ

滞納があってもオーナーが保証会社と直接やり取りすることはなく、家賃は管理会社から振り込まれます。
オーナーにとっては自己負担なく、保証会社(管理会社経由で)から家賃保証を受け取れるうえに連帯保証人を探す手間も不要といった、メリットの高い仕組みです。なお、この保証委託契約には事前に審査があります。

それでは、常識的に部屋をキレイに使ってくれる”良い入居者”に来てもらうにはどうすればよいのでしょうか。良い入居者が希望する住宅を作ることもリスク対策の1つです。当社の経験からは「良い物件には良い入居者が訪れる」という傾向が分かっているからです。

誤解されたデメリット3:入居者トラブルに巻き込まれる!?

リスク4:大規模修繕リスクの対策と管理

賃貸オーナーにとってなるべく抑えたい出費の中でも、大きいものが修繕費です。しかし新築の場合は、はじめの10年間は大規模はもちろん小規模の修繕はほとんどかかりません。

賃貸併用住宅 大規模修繕リスクへの対策

新築は10年間は大規模修繕のリスクが無い設計住宅性能評価書のマーク建設住宅性能評価書のマーク

新築物件には「品確法(住宅品質確保促進法)」が適応されます。
品確法とは、建物になにか重要な問題が発生した場合、施行者が責任をもって無償で保証するというもので、その保証期間は10年間です。
中古よりは長持ちしやすいうえにこの品確法によって、新築は10年間は大規模修繕のリスクが無いということになるのです。

万が一、施工業者が倒産してしまい、その責任を果たせなくなったとしても、保険金でまかなえるように施行者には保険の加入が義務付けられています。初めて不動産投資を行う人にとって、この保証はとても心強いものです。
また、はじめの10年は小規模修繕もほとんどかかることはありません。

将来の大規模修繕に向けて、出費が少ない時期にこそ貯めておく

とはいえ、経年劣化はかならず生じます。将来いずれくる大規模修繕に向けては、減税適応期間や大きな修繕が起こらない初期の出費が少ない時期にこそ、修繕計画を立てておき、早いうちから積み立てるなどしておきましょう。設備の保証なども事前に確認しておくこともおすすめします。

賃貸併用住宅 まとめ

賃貸経営で想定されるリスクは、先人たちの経験や知恵、時代の流れによって、あるていどリスクを抑えられるような工夫や制度、ノウハウが出来ています。

大切なのは、小さいことでも確認を怠らない、懸念事項をそのままにしないようにすることです。
管理会社や保証会社はしっかりしているか、入居者は問題ないか契約時の事前チェックなど、めんどうだからとつい「まあいいや」で過ごさないことです。

一つ一つをしっかり取り組むことは、賃貸ビジネスオーナーとしての自覚と認識によって行動できるものです。受け身ではなく積極的にリスク管理に取り組みましょう。

そうすることで、もしトラブルが起こっても問題が大きくなる前に処理しやすくなるのです。

賃貸併用住宅をより詳しく知る場をご用意しています。ぜひご利用ください。

賃貸併用特別セミナー
話を聞いてみたい

「賃貸併用住宅」の仕組みや注意点を個別形式で専門家が惜しみなくお話いたします。ご夫婦での参加も多数。

物件紹介・ご相談
相談したい・土地を探したい

セミナーよりも詳しく聞きたい方、物件の紹介を受けたい方、具体的に検討したい方等におすすめです。

書籍無料プレゼント
読んで学びたい

住宅ローンを使った賃貸併用住宅で堅実に資産を築く仕組みとノウハウを詳しく解説。

無料メール会員登録
情報を受け取る

「賃貸併用住宅」のノウハウ、セミナー情報、物件情報など「賃貸併用住宅」のお得な最新情報をお届けします。

弊社の個人情報の取扱いに同意して