「不動産好き」の中国人は米雇用市場の救世主?

中国人の“不動産愛”はとどまるところを知らない。それがサンフランシスコのソーマ地区やロサンゼルス中心街のような米国の複数の都市の景色を変え、雇用までをも創出している。

中国からの不動産投資はこの6年で、米国に20万件以上のフルタイム雇用をもたらした。海外の個人投資家からの投資総額で最も多かったのもは中国だ。また、非営利団体アジア・ソサエティーによれば、2万人の中国人が、EB-5プログラム(一定額の投資を行い、雇用を創出した投資家を対象に永住権を与える)でビザを取得した。中国人はEB-5ビザ取得者の7割を占め、過去10年にわたって年間およそ10億ドル(約1,090億円)を米国にもたらした。

2010年から2015年の間に、中国人の個人が米国で不動産に投じた金額は少なくとも930億ドル(約10.1兆円)。投資額は毎年20%の勢いで増加し、カリフォルニア州では2008年以降、多くの地域の不動産市場で需要を引き上げた。

中国企業もランドマークの買収など活発な投資を行い、ローゼン・コンサルティング・グループはアジア・ソサエティーと共同でまとめた112ページに及ぶ報告書の中で、中国人の不動産愛が「米国の経済と雇用に重大な影響を及ぼした」と指摘した。

2008年から2009年にかけて起こった住宅バブル崩壊で、米国の建設業は大きな打撃を受けた。住宅建設業者の雇用はいまだに、危機発生前の水準を回復できずにいる。全米不動産協会は2015年9月、年次調査を行った146の大都市圏のうち3分の2近くで、住宅着工件数が雇用創出数に追いついていないと明らかにした。

そこにやって来たのが中国人だ。彼らは高級住宅市場と中間所得層向け住宅市場の両方を安定させる役割を果たしている。