中国人はなぜ、米国の不動産を狙うのか

キャニオン・レイク牧場は、かつては教会の日帰りキャンプに使われていた。その後、水上スキーやバーベキューができる企業の保養施設となった。今では、その43万7000平方メートルの乾いた土地の上をタカが旋回し、地上にはたくさんのアメリカマムシと数匹のコヨーテがいて、建設用のトラックも時々やって来る。

じきに、この牧場は99棟の小規模な邸宅が建てられた住宅地になる。中国本土からの買い手のために設計された邸宅だ。この宅地を開発した北京のビジネスマンのチャン・ロンは、自分の家を建てるために3区画を確保し、古いロデオ場も押さえている。

世界各地でビルや住宅を買う

この高級住宅地は、テキサス州ダラスから北西に56キロメートルほどのところに開発されており、中国人による不動産「爆買い」の最前線となっている。チャイナマネーは世界の不動産市場で影響力を強めており、中国経済の混乱にもかかわらず、中国からの資金の流入は続きそうだ。通貨の引き下げと株式市場の下落により中国の海外での購買力は抑えられたが、一方でそうした不確実な経済状況により、中国の個人や企業は自国以外ならどこにでも投資しようとしている。

ロンドンでは、中国の投資家が裕福な地域の高級マンションや、金融街の高層ビルなどを購入している。カナダでは、バンクーバーの地味な平屋建ての家に100万ドルを支払う。オーストラリアでは、中国の政府系ファンドが9棟のオフィスビルを買い、これはオーストラリアでは史上最大規模の不動産取引の一つとなった。

米国では中国人の住宅購入熱が東西の海岸から始まった。中国人投資家はマンハッタンの高級マンションや、シリコンバレーの豪邸風住宅を、先を争って購入し、大都市の住宅価格を押し上げた。今では、この熱気が米国の内陸部まで広がりつつある。より価格が安く、広さもある地域だ。