日銀追加緩和が不動産投資後押し、Jリートでマイナス金利調達も

本銀行がマイナス金利導入を決定したことで、頭打ちになっていた日本の不動産市場に投資マネーが回帰する可能性がある。スワップ取引に伴いマイナス金利で一部借り換えしたリートが出てくるなど、不動産関連業界の調達コストは低下し、都心オフィスビル価格は年内に10%程度値上がりするとの見方が出てきた。

物流施設に投資するGLP投資法人は10日、既存借入金の一部53億円について、野村証券と金利スワップ契約を締結し、実質的にマイナス0.009%で金利が固定化されたと発表した。今後約3年間、毎年、支払い金利と受け取り金利の差額に相当する約48万円の受け取りが発生する。運用会社のGLPジャパン・アドバイザーズの辰巳洋治・常務執行役員最高財務責任者(CFO)は、「マイナス金利の導入決定後にとても良いタイミングでできた」と述べた。

クレディ・スイス証券の望月政広アナリストは、電話取材に対し「銀行がマイナス金利で貸すことはしないと思うが、金利を固定化するとか、スワップを組む時に、もしかすると金利がマイナスになってくる可能性がある」と述べ、GLP投資法人のような例が今後も出てくる可能性があるとの考えを示した。また、金利の一段の低下で「不動産価格の上昇が続く」とし、今後1年間で都心オフィスビル価格は10%程度上がるとの見通しを示した。

デフレ脱却を掲げる安倍晋三政権の下で不動産投資は活況が続き、大和不動産鑑定のデータでは2015年第3四半期の東京都心部Aクラス・オフィスビルの床単価は7年ぶりの高値となった。しかし、その分投資利回りが低下し、割高感が強まった結果、拡大が続いていた不動産売買額(都市未来総合研究所調べ)は昨年、4年ぶりのマイナスに転じていた。