英不動産市場の苦境、最も傷つくのは外国勢

英国の不動産が崖っぷちに立たされている。4日以来、商業用不動産に投資しているオープンエンド型投資ファンド6本が解約を中止した。そうしなければ安値で資産を叩き売る羽目になると恐れてのことだ。

しかし英不動産相場の調整によって最も傷つくのは、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)に投票した国民ではなく、海外投資家になりそうだ。

国民投票の結果、英国の不動産市場はこの10年間で2度目の急落に見舞われようとしている。UBSによると、英不動産投資信託の価格は、商業用不動産価格がファンドの想定水準を超えて25─30%も下落する可能性を織り込んでいる。

朗報は、2007─08年の金融危機後に商業用不動産価格が44%下落した記憶がまだ新しいことだ。これによって打撃は和らげられるだろう。デモントフォート大学によると、銀行の商業用不動産価格に対する融資額の比率(LTV)は昨年59─65%程度で、06年の75%を下回っている。危機前ほど融資条件が前のめりではないため、デフォルト(債務不履行)や清算は抑えられるはずだ。